新井 隆臣

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. 学校に着くと。 何やら周りの視線が熱い。俺を、というか俺の顔を見て何だかみんな意外そうな顔をする。 俺、顔になんか変なもんでも… …………あ。 思い出した、たぶん昨日スバルが貼ってくれた絆創膏… 俺はトイレに行き、鏡でまじまじ確認してみた。 「ぅおお………」 キ●ィちゃんか。 確かに俺の顔には不釣り合いなくらいファンシーだ。 だからと言って剥がして捨てるのも何だかスバルに申し訳ない気がする。結局、怪我が治るまでは放置しておくことにした。 そして教室に帰る途中。 「よぉ新井。」 …………えーと…… あ、昨日の先輩方だ。 「ちす、どーしたんすか?」 校内で話しかけてくるとは珍しい。こりゃまさに不吉だ。 「いやあ、後輩に二回も伸されちまったなんて…恥ずかしい先輩なんだけどよ。実力ではお前に敵わねえ。だから、これからは穏便に、平和にお前と付き合っていきてえんだよ」 リーダー格の奴が喋ると後ろの二人がうんうん頷く。 「っつー訳だからよ、和解しようぜ俺ら。今日新井に改めてお詫びしてえからよ、放課後一緒に下校しようぜ」
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