16痛目 剣を求めて

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探索二日目 今度は大人達に情報を求めてみた。 「剣?知らねえな」 「やっぱりか……」 確かにあんな小さな森の中に剣があるなら話題にならない筈がない。 この地図が間違っているとでも言うのだろうか? 「剣は本当に地上にあると思いますか?」 突然リエラがそんなことを言い始めた。 「……どういうことだ?」 「武器はやはりしっかりした場所で保管しなければ錆びてしまいます。だから建物のようなところにあるのではないてましょうか?」 ………確かに聖剣と呼ばれるほど大切なものならきっちり保管しなければならない。 もしかしたらその保管には魔王から聖剣を隠すという意味もあるのかもしれないな。 「……墓だ」 森の中で唯一浮いてる存在である誰のかも分からない墓。 そこにあるかもしれないな。 「オレ行って来るっす!」 弾丸のように飛び出して行くルーク。 「ルーク!私も行くのですぅ!」 その後を追うナーシャ。 なかなかお似合いかもしれないな。 「お前はあとを追わないのか?」 「ええ」 リエラはあとを追うようなタイプではないか。 「じゃあ家に帰って結果を………全く、最近出ないと思ったらこのタイミングか」 目の前に現れたのは魔法で生み出された魔物ネセサリウス、今度は人型タイプで一体だけのようだ。 「敵を穿つは死の槍『エンドランス』」 試しにエンドランスを撃つがネセサリウスに効果はない。 「量産型と特注型があるってことか」 ネセサリウスは突如俺とは全く関係ない方向へ跳んだ。 その方向には…… 「………!」 俺達の様子が気になったのかこっそりついて来ていたクロエがいた。 「間に合え!」 ザシュ クロエの顔に掛かる俺の血液。 「おに、おにい……ちゃ………」 俺は魔物の槍状に変化した手で貫かれていた。 「大丈夫だ。こんなんで俺は止まらない!」 槍をへし折って魔物を蹴り飛ばす。 リエラは俺の背後にいるクロエに近付く。 「リエラ……ナーシャを頼めるか?」 「…………」 しばしの沈黙のあと彼女はこう言った。 「無理ね」 グシュ 俺は、俺の胸から生えている漆黒の剣を不思議そうな目で見ていたに違いない。 「………カハッ」 俺の口から大量の血が吐き出された。 「リエラ……お前……」
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