1痛目 最初の間違い

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誰だって間違いをする。 それは15年と6ヶ月生きた俺、ジェノン・マニルにも言えることだ。 「すっげー……」 馬鹿でかい学園の前で感嘆の声を上げているのが俺だ。 今日は待ちに待ったかの有名な王立魔法学園の受験日。 俺はここに入るために今まで必死で勉強をしてきた。 俺の家庭は極平凡な家庭だ。 父親は極普通のギルド員で母親も極普通のギルド員。 父親はBランクで母親はCランク。 まあ普通だ。 けど何をとち狂ったのかその時の俺は優秀な戦士を目指し、あわよくば騎士になりたいなんて言う馬鹿げた野望も抱いていた。 そう…… 間違いはこの学園に入りたいと思ったことだった。 この学園の受験は筆記と実技二つある。 魔法学園だからと言って実技で魔法は使わない。 魔法を習うのはこの学園に入ってからだ。 では実技は何をするのかって? それは……… 「ゼェ……ゼェ………」 走り込みだ。 魔法使いは体力が命だと言われるくらい魔法には体力を使う。 その体力を明確に計るには走り込みが一番わかりやすいと言うことだ。 あと魔力と身体能力は密接な関係があるらしく、身体能力が高ければ高いほど魔力も高かったりする。 俺はたぶん誰よりも必死に走っただろう。 まあそれでも順位はだいたい真ん中くらいだったが…… 先頭集団は走って5分で見えなくなった。 あれは別格だとその時の俺は憧れを抱いていたもんだ。 後に俺はあいつらの厄介さを身に染みて味わうことになる。
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