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夕暮れ。
家の中でにオレンジ色のまぶしい光が差し込み始めたころでした。
カタッ。
リビングにいた私は、玄関の、微かな物音に気づいたのでございます。
小さな音でしたが、聞き間違えではないと思いました。
私は、壁にかかっていた時計に目をやります。
そろそろ夫が、仕事から帰ってくる時間でした。
今の音はもしかしたら夫――?
一瞬そう思いましたが、すぐにその考えは消えました。
夫なら、すぐに家に入って来るはずです。
今朝だって、鍵を持っているか確認していました。
忘れて家に入れないなんてことは無いはずなのです。
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