狭間のもの

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カンさんがそう言ったのを切っ掛けに、スワンの薄く軽いハウスは、とっとと無くなれとばかりにあっと言う間に取り払われた。 「一応、私物は残しておくか」 たけさんが、なんの感情もこもっていない声で、そう言う。 スワンの哀れを誘うような私物は、その辺にある一本の木の根元に集められ、そのまま放置される事になった。
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