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痛みを堪えながら起き上がる。
周りを見わたしたが、サムソンの姿は見当たらない。
ふらつきながら立つと、前にある扉に目がいった。
扉がわずかに開いている。
そこから灯が漏れていた。
赤と言おうかピンクと言おうか、ぼうと光る灯。
場末の風俗店の小部屋で見るような色の灯。
何処かに照明が有ると言うよりも、空間そのものがぼんやりと光っている様な灯。
そんな灯かりが見えている。
ケムンは扉に近づき、その隙間から中を覗いた。
中はピンク色の空気で満たされていたが、それ以外は何も見えなかった。
サムソンの姿も見当たらない。
ケムンがもっと良く見ようと扉に手をかけた時、その扉がいきなり左右に開いた。
思わずまえにつんのめったケムンの両腕を、何かがつかんだ。
反射的に右を見たケムン。
その目に写ったものは。
その年齢の割りには妙に艶めかしい眼でケムンを見つめ、全裸で細く引き締まった肉体を持ち、ピンクの光を受けて皮膚の表面が濡れたように淫靡に光り、長い黒髪で、笑った厚い唇の間から白い歯が覗き見え、恥部の毛も生えていない八歳くらいの少女だった。
左を見たケムンが見たものも、やはり少女だった。
一卵性双生児のように瓜二つの顔をした二人の少女。
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