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「スワンが?」
ケムンがそう訊くと、たけさんは一層声を荒げて言った。
「そうだ。隣のカンさんが、夜中の三時くらいに。外に出て行く気配を感じたそうだ。
ただカンさんは、睡魔に勝てずそのまま寝てしまったそうだ。だからその後の事は、何も知らないと言っている」
カンさんが、やけに黒い顔をケムンに向けた。
「そうなんだよなあ。昨日の夜、ふと目が覚めて又うとうとしていたら、シマシマの野郎――スワンのことだ――がハウスから出て行く音が聞こえ、そのまま歩いて行く音が聞こえたんだ。
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