うどんちゃ!

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「佐川警部ー!」 俺は今とてつもなく集中している 「佐川警部ー!」 ほんの一秒の隙が命取りだ。 「佐川警部ー!」 あと、すこし あとすこしなんだ あとすこしでー… 「反応しろや!! バカ兄!!」 「ぐぼぁっう」 弟の飛び膝蹴りが後頭部に当たった。 「何するんだ。休み時間だからってそんなはしゃぐな。 それに署内では佐川警部と呼べといっただろう。 いつまでもお兄ちゃんっ子でいるんじゃないぞ」 俺は怒りで顔を真っ赤にした弟に向けて冷静にそう言い返した。 弟は喚く。 「佐川警部って呼んでただろうが!! 耳に化け物でも詰ってんのか! じゃなくて、やばいんです! 人工的に茶柱立ててる場合じゃないんですよ!!」 俺はしぶしぶとお茶を片付け 弟に向き直った。 すこし征服がでかくも感じる弟は俺よりもあっさり試験に合格しやがったエリートである。 佐川敏と 佐川由羅。 この町内を担当する警察の兄弟だ。 「どうした? 何かの事件に進展でもあったのか」 そうだとしたら休み時間など関係ない。 というかそもそも休み時間なんてものは無い。 警察は切り替えが肝心だ。 由羅はキリッとした顔で 一枚の紙を俺に突きつけてきた。 「さっき、外に誰かが通った気配もないのに 署内の机の上に挑戦状が置いてあったんです。 みてください」 「どれ…?  って、なんだコレは!」 手紙の内容はこうだった。 『今倉区2-30-1 飲食店 うどんちゃ にて 客が立つと爆発するように爆弾をしかけておいた。 お前ら警察でなんとかしてみろ そうだな、三人でこい 頭のいいやり方をしてみるんだな。 三人寄れば真珠の知恵って言葉もあるだろう』 「これはヤバイな…」 「ええ」 俺に続けて由羅が頷く。 「多分豚に真珠と三人寄れば文殊の知恵 が混ざったんでしょうね 犯人は高度なバカだと…」 「いや、そっちじゃなくて爆弾の話!」
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