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そして警察署を出た時は気付かなかったが
由羅はなぜか私服に着替えていた。
「どうした? 何で私服?
漏らした?」
俺がそう問うと
由羅は得意げにウインクしてくる
俺の瞼が痙攣するだけのウインクとは大違いだ。
「作戦立てたんですよ
だって爆弾があるんで立たないでくださいなんて言ったらパニック起こすでしょう?
パニくった人って何やらかすか分からないから。
まず、俺が店内に店の被害者のフリを装って入り、佐川警部がその調査のために乗込んだってことにしておけば
自分とは無関係だから皆落ち着いて行動できるでしょう
後、言っておくが俺は小4以来漏らしてないからな」
「そうだな 他に方法があるわけでもないし。
それでいこう」
小4のとき漏らしたという新事実に驚きながらも
俺は前を向いた。
俺たちの作戦を聞いてんのか聞いてないのか分からない後ろのジジィはさておき
俺たちは うどんちゃ の目の前まで来た。
ドアは手動だった。俺は一歩さがり先に由羅が入る。
すると
入った途端 由羅は
「ひどいじゃないかあああ!!」
そう叫び始めた。
ちょ、いくら被害者だからって急にソレはアリか?
驚いて客が立ったらどうするんだ。
店内の客は全部で五人だった。
やはり驚いて…でも此方を見ているだけだった。
「この前食べた煮込みうどんにそばとパスタが混ざってたぞ! どうしてくれるんだ!」
まあ、食べたものでお腹壊したって言ったら店の評判を下げることになるが
そんな被害があるか。
俺は由羅の演技に合わせるしかなく
後ろからあきれた風を装って出てきた。
「ということで。
一応被害がでているので
調査の為、皆さん立ち上がらないでください
あと 椅子の下を調べさせてもらいます
パスタとかそばとか隠してるかもしれないんで…」
隠してたからなんだってんだ。
作っているのは、煮込みうどんにそんなもの混ぜたっけという顔をしている女店員と後ろにはその父親らしき男だけだった。
俺はとりあえず 犯人が出してきた挑戦状をその二人にだけ見せた
騒ぐかと思ったが女は以外にも慣れた風に頷いた。
前にもこういうことがあったんだろうか?
「じゃあ、調査にご協力願います」
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