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「確かお前だよな、あそこの工事は」店主は鈴木へ訊いた。
「はい、夕方ごろ外灯工事をしていました」と、鈴木は店主と孝史の顔を交互に見て、言った。
孝史は「この男ですが」と、写真を見せた。
「見ましたよ」味気ない答えが、かえってきた。
孝史にとっては大事なことでも鈴木にとっては意味のない事であった、そのため、素っ気ない返事をしたのだ。
「ええ、二階の右隅の部屋ですよね、この人は、くわえ煙草をして、洗濯物を取り込むところでした」
「間違いありませんか」返された写真を確かめるように、もう一度男の目の前へ出した。
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