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†─†─†
はっと目を覚ました
ここは僕のベットの上
ケータイ画面を見る
8月14日 12:02
夢…………?
明日は彼女と会う約束をしている───
†─†─†
8月15日
彼女と話をしている
彼女はやはり猫を抱いている
昨日見た夢を思い出してしまう
と、猫が車道へと飛び出していく
僕は咄嗟に彼女の腕をつかんだ
『今日はもう帰ろう?』
僕は彼女にそう言い、公園を出た
道に出ると周りの人々は空を見上げ指を指している
上を見上げると、大きな鉄柱が数本落ちてきていた
彼女は僕が止まったことも気にせず、前に数歩歩みを進めた
鉄柱が
彼女の
身体を
貫いた───
彼女の背中から地面へと突き刺さるソレ
また、ひろがる、紅
遠くで、僕の陽炎が微笑むのをみて、また、目が覚めた
何度も何度も繰り返される8月15日
そのたびに彼女が死んでしまう
僕はいつも守れない…
そんな日が何度繰り返されたのだろう
彼女が死ぬ度に笑みを浮かべる僕の陽炎
ドウスレバイイノ?
また、あの公園
彼女が猫を追いかけ車道へと飛び出す──
僕も彼女に続き車道へと飛び出す
僕は彼女の腕を引き歩道へと戻し、その反動で僕が車道へ出た──
僕は僕の陽炎へ向かい、言ってやった
『ざまあみろ』
驚いた顔をした陽炎──
トラックにぶつかる瞬間
彼女の後ろに
彼女の陽炎が見えた───
僕は目を見開き
そして────
†─†─†
8月14日
私は目を覚ます
目には涙を溜───
猫を抱き寄せて
言った
『また、守れなかった…』
傍らで微笑む私の陽炎
どちらから始まったのか───
お互いがお互いを生かすために死を選ぶ───
2人だけの
死のループ────
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