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遅いなぁ…咲希。
8時って約束したじゃん。
咲希「ごめーん。綾。電車乗り間違えて…」
「大丈夫大丈夫。」
咲希「ここ来るの、久しぶりじゃない?」
「だねー。」
咲希「早速話、始めていい?」
「うん。」
咲希「あのね…」
なんだ?このテンション。
咲希「子供…」
「子供?」
咲希「子供…できたかも。」
「はぁ?」
咲希「ほら、言ったじゃん。体だけの人がいるって。」
確か半年くらい前、咲希に相談されたんだった。
「で?」
ちょっと変になってる。
イラついてるというか、歯がゆいというか…
咲希「産むの止めようかな…って。」
「それは無いでしょ。」
咲希「え?」
「産まないのは無いでしょって。」
咲希「じゃあどうすれば…?」
「2択しかないじゃん。産む以外無いでしょ?」
咲希「でも…」
「中絶するのは、命ひとつなくすことだからね?」
咲希「そうだけど…」
「まぁ、最終決定は咲希なんだから。私が言えるのは、私なら産むってこと。」
咲希「ありがと…」
涙を流す咲希。
強く抱き締めた。
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