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「…それで、どうかしたのか?」
夜の公園は少し肌寒い
「あのね、大したことじゃないんだけど…」
「朝に海斗君この公園に藤咲さんといたでしょ?なにしてたのかな~って」
なんだ そんなことか
「ただ桜見ながら弁当食べてただけだよ。まぁそのあとすぐに帰ったんだけどね」
「そうなんだ。ほんとにそれだけなんだ…」
「話しかけてくれればよかったのに、あのあとすぐにいっちゃったからさ」
「あはは、ごめんね、ちょっと用事があったから…それに藤咲さんと一緒にいたから入りにくかったのもあるかな」
「そんなことないよ。俺たちもう友達なんだから…」
「…俺たちって藤咲さんも入っているの?」
「え?そりゃそうだろ」
「でも私は藤咲さんとは別に友達でもなんでもないよ。赤の他人だよ」
「……え?…」
「あはは、勘違いしちゃだめだよ海斗君」
「ま、待てよ。そりゃあんまり話してるの見たことはないけど赤の他人なんて…」
「だってその通りじゃない。ほんとのことなんだから仕方ないと思うな」
「…そんな…だって…」
「じゃあそろそろ行くね」
「お、おい宮森…」
「海斗君…私の友達はね…」
「海斗君だけなんだよ。他の人はみーんな他人なの。だから海斗君はずっと私と一緒だからね」
宮森がいなくなった公園はより寒く感じた
悲しくも夜桜が美しいと思えた
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