3 こじれあう関係

9/9
前へ
/34ページ
次へ
「…それで、どうかしたのか?」 夜の公園は少し肌寒い 「あのね、大したことじゃないんだけど…」 「朝に海斗君この公園に藤咲さんといたでしょ?なにしてたのかな~って」 なんだ そんなことか 「ただ桜見ながら弁当食べてただけだよ。まぁそのあとすぐに帰ったんだけどね」 「そうなんだ。ほんとにそれだけなんだ…」 「話しかけてくれればよかったのに、あのあとすぐにいっちゃったからさ」 「あはは、ごめんね、ちょっと用事があったから…それに藤咲さんと一緒にいたから入りにくかったのもあるかな」 「そんなことないよ。俺たちもう友達なんだから…」 「…俺たちって藤咲さんも入っているの?」 「え?そりゃそうだろ」 「でも私は藤咲さんとは別に友達でもなんでもないよ。赤の他人だよ」 「……え?…」 「あはは、勘違いしちゃだめだよ海斗君」 「ま、待てよ。そりゃあんまり話してるの見たことはないけど赤の他人なんて…」 「だってその通りじゃない。ほんとのことなんだから仕方ないと思うな」 「…そんな…だって…」 「じゃあそろそろ行くね」 「お、おい宮森…」 「海斗君…私の友達はね…」 「海斗君だけなんだよ。他の人はみーんな他人なの。だから海斗君はずっと私と一緒だからね」 宮森がいなくなった公園はより寒く感じた 悲しくも夜桜が美しいと思えた
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加