5人が本棚に入れています
本棚に追加
教室に着くとクラスの大半の人が集まっていた
俺はとりあえずクラスの面子と少しはなしをした
するとチャイムがなったので席に座った
「じゃあ出席をとる前に転校生を紹介します」
クラスの雰囲気がざわついた
そりゃそうだよな
転校生なんてこの田舎学校には珍しいからな
「なぁ海斗」
「どうした?ニヤニヤして、気持ち悪いぞ」
「まぁだまって聞けよ、転校生っていったら大体美人とか美少女に決まってるんだよ。海斗はどっちだと思う?」
「女好きの気持ちはわからんが普通の人だろ。現実見ろよ」
「夢見すぎかなぁ」
情けない声を出して一樹はだまりこんだ
確かに気にはなるよな
「それじゃあ入りなさい」
「はい」
入ってきたやつの顔は…
朝に見た顔と一緒だった
「東京から来ました。宮森遥香です。よろしくお願いします」
「…あ、転校生だったのか」
「朝、海斗と話してた人だな。なんて美少女だ…」
確かに
朝はバタバタしてたけど
よく見ると美少女だ
「え~宮森君の席は…一ノ瀬の隣だな」
ギャルゲ的な展開になってきた
「はい」
転校生は俺の横の席に座った
空席だから荷物とか置けて便利だったのに…
なんていってる場合じゃないな
「一ノ瀬君」
突然呼ばれて驚いてしまった
「…なに?」
「始まりの唄って知ってますか?」
始まりの唄?
なんだそれは
きいたことないな
「いや、知らない。ごめんねわからなくて」
「…」
一瞬。とても寂しそうな顔をした
あれ?こんな感じ…
懐かしいような…
「そうですか、わかりました。変なこときいてごめんね」
そういうと転校生は先生の話に聞き入ってしまった
…始まりの唄?
アーティストはだれだ?
JPOPなのかな?
アニソンかな?
それとも童謡?
それからその一日はそんなことばかり考えていた
始まりの唄
俺は知っているんだろうか…
それさえもわからない
でも
悲しい表情をしたのだけははっきりとわかっていた
最初のコメントを投稿しよう!