現実?

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『あそこ通りたくないな。』 俺は工事中で何かが高く積まれているところは通るのが苦手だ。 「でもあそこ通らないと帰れないし。」 確かにそうだな…。 『上に気を付けてれば大丈夫かな。』 坩菜の手を引きながら工事中の骨組みマンションの前を通る。 『?』 でも何だか周りの人の様子がおかしい。 皆上を見上げ口を開けている。 「憐…上…。」 坩菜も上を見上げ呆然としている。 俺も上を見た。 『はぁ!?』 信じられない光景が目に入った。 俺達の上に鉄柱が三本降ってくる。 死ぬ…!? 『ウワアアアァァァァ!!』 俺が思わず目をつぶったとき、誰かにものすごい力で押された。 ビックリし、目を開けたら今度はもっと信じられない光景が目に入ってきた。 鉄柱が坩菜を貫いている。 周りの人が悲鳴をあげ、騒ぎだす。 『あ…。』 そしてアイツがいた。 またもう一人の俺が鉄柱が刺さり苦しむ坩菜を見て笑っている。
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