初参戦

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ついに見つけた突破口 大神はコーナーひとつひとつ、独特のリズムでクリアしていく。その中には明らかに今までより早いものもあれば、むしろ遅くなっている物もある。 「大体はつかめた。あとは・・・最終コーナーだ。」 最終コーナーは筑波の中でも1つの名物である。大きく回り込んだあとはホームストレートが待っており、ここの加速は重要なポイントである。 「コーナリングスピードも速くしないといけないけど、突っ込みすぎると途中で減速しなきゃいけない・・・ でもこのコーナーは立ち上がりでロスするわけにはいかない。」 予選セッションものこり3分。春樹も自分のアタックに入り、他の車もそれぞれタイムをあげていく。 そしてラスト1分を切った。大神はコントロールラインを通過し、正真正銘最後の1ラップに入った。 「これが最後の周。何としても最終コーナーの走り方を見つけないと・・・」 次々とコーナーをクリア、そのリズムはほぼ完成形である。 バックストレートに入る。 この時、後ろに居る1台のマシンに大神は気づいていなかった。
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