初参戦

14/30
前へ
/319ページ
次へ
「今までの走り方はいまいちだった。今度は少し突っ込んでみるか?」 大神はバックストレート上で最後の策を練る。 そして最終コーナー、ブレーキングから旋回に入った。 「なぁ!?」 その時、大神には後ろからぐんぐん近づいてくる黄色いEKシビックに気がついた。 「このままじゃ変に抜かれる。」 大神はとっさにアクセルを踏んだ。 ギャァァァァ・・・ リアが滑る。 「くぅ!」 大神は必死にステアリングを逆方向に切り、ドリフト状態になった。 ヒュイィィィン!! コーナー出口、爆発的な加速を感じた。 「あ・・・」 大神は鳥肌が立つのを感じた。 NB-Rはコーナー中盤辺りからずっとドリフト状態で最終コーナーを抜けた。 この時、大神はステアリング操作だけでマシンをコントロールした。 「できた・・・オレ流ファーストインファーストアウト!」 NB-Rはコントロールラインを通過。タイムもそれまでの自己ベストをコンマ2更新した。 「フーン」 目の前でNB-Rのドリフトを見ていたEK9のドライバーはこの時、NB-Rの動きに臆することなく、最終コーナーを抜けていた。 そして、彼の出したタイムは堂々とタイミングモニターの一番上に来たのであった。
/319ページ

最初のコメントを投稿しよう!

141人が本棚に入れています
本棚に追加