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「今までの走り方はいまいちだった。今度は少し突っ込んでみるか?」
大神はバックストレート上で最後の策を練る。
そして最終コーナー、ブレーキングから旋回に入った。
「なぁ!?」
その時、大神には後ろからぐんぐん近づいてくる黄色いEKシビックに気がついた。
「このままじゃ変に抜かれる。」
大神はとっさにアクセルを踏んだ。
ギャァァァァ・・・
リアが滑る。
「くぅ!」
大神は必死にステアリングを逆方向に切り、ドリフト状態になった。
ヒュイィィィン!!
コーナー出口、爆発的な加速を感じた。
「あ・・・」
大神は鳥肌が立つのを感じた。
NB-Rはコーナー中盤辺りからずっとドリフト状態で最終コーナーを抜けた。
この時、大神はステアリング操作だけでマシンをコントロールした。
「できた・・・オレ流ファーストインファーストアウト!」
NB-Rはコントロールラインを通過。タイムもそれまでの自己ベストをコンマ2更新した。
「フーン」
目の前でNB-Rのドリフトを見ていたEK9のドライバーはこの時、NB-Rの動きに臆することなく、最終コーナーを抜けていた。
そして、彼の出したタイムは堂々とタイミングモニターの一番上に来たのであった。
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