第一話

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「たまんないなぁ……最高だ……ホント」  俺はそう言いながら自分の手牌の腹を左端からなぞり、 「それだ」  牌がすべて倒れ切るのと同時に点数を声に出した。 「一万二千。きっかり逆転だ……!」  スタジオ内に試合終了のブザーが鳴り響くが、誰ひとり声を上げようとはせず、俺も床を蹴って少し卓から離れ、体重を背もたれに預けてうっすらとしか見えない天井を見上げながら大きくため息をついた。
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