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「ちょ……はっ?何やってんの?焼き鳥でも始める気?」
よほど空腹だったのか
ばあ様はマッサージチェアから降りて、じい様の元へやって来たかと思えば、手当てされているすずめを見て早々に、そんなことを言ってきました。
「おいおい、悪い冗談はやめておくれよ。焼き鳥だなんてとんでもない」
危険を察知したじい様は、そう言いながらすずめをガーゼごと安全な場所に避難させようとしました。
「はい、ちょい待ち。それ…こっちによこしな」
ぺろりと舌なめずりをしながら、ばあ様が言ってきた一言を聞いて、思わずじい様の額に冷や汗が湧き出てきました。
「な…何をするつもりじゃ」
「あぁん?別にいいだろ。いいからよこせってんだよ。ぶっ飛ばされたいの?」
睨みをきかせながらそう言われては、もうじい様に成す術はありませんでした。
じい様からそっと差し出される、ガーゼとその中のすずめ。
「へぇ、怪我を治してやってたってわけか。いつから動物愛護団体に入ったんだか、お聞かせ願いたいもんだね」
「ひぃっ…す、すみません…」
なぜじい様が謝っているのか。
それはじい様自身、恐らく分かっていないのでしょう。
ばあ様が不機嫌っぽいという、ただそれだけでじい様の謝る理由は充分みたいですから。
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