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「何ぼさっとしてんだよ。とっととハンバーグ作りな!」
不安そうにすずめを見ていたら、ばあ様の喝が飛んできたため、慌てて調理に取り掛かるじい様。
さて、山でのきのこ狩りでは、達人級の腕前を披露してくれたじい様。
料理の腕前はいかほどでしょうか。
牧場主は親切にも、ハンバーグと聞いて挽き肉を用意してくれたみたいなので、じい様はそれを手際よくこねていきます。
冷蔵庫に入っていた卵も割って…と。
空気を抜くのも抜かりありません。
あっという間にフライパンで焼き上げていき、お手製のデミグラスソースもかけてやり、レストランで見かけるようなそれと、何ら変わりない物が出来上がりました。
どうやら、一緒に自分の分も作っていたようで、きのこが敷き詰められた美味しそうな焼き魚が出てきました。
魚にはあの木の実のソースがあんと共にかかっていて、甘酸っぱい匂いがぷんぷんと漂ってきます。
ピーと炊飯器の音が鳴り、ご飯が炊けたことを教えてくれます。
茶碗によそってやり、料理の品々を机に並べ終えると、じい様はばあ様を呼びました。
「出来たぞー」
じい様の声を聞いて、ばあ様はなぜか外からやってきました。
先程まで持っていたすずめとガーゼは見当たりません。
どこにやったのでしょうか。
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