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「きゃっほー!いっただきまぁーす!」
じい様が作ったハンバーグに、まるで子供のようにかぶりつくばあ様。
じい様はそんなばあ様より、すずめのことが気掛かりでなりませんでした。
「な、なぁ…あのすずめは一体…」
じい様が恐る恐る尋ねると、ばあ様はハンバーグを食べながら、じい様を食い殺すかのような目で睨んできました。
「今、食事してんだろ。話なら後にしな」
重低音の声でそう言うと、ばあ様は獣のような食事を再開しました。
じい様は何も言い返せず、ただただ黙って食事をしています。
「おかわり!」
茶碗の中のご飯を食べ終えたばあ様。
まだまだ満たされない様子で、相変わらず睨んでくるので、じい様は慌ててご飯をよそいに行きます。
「確か冷蔵庫に岩海苔あったろ!それも持ってきな!」
ばあ様大好物の岩海苔。
缶に詰められたそれを冷蔵庫から出して、じい様が食卓に戻ります。
するとそこに、あのすずめがやってきました。
どうやら窓から入ってきたようです。
「おぉ、どこ行ってたんだ!」
喜ぶじい様とは正反対に、ばあ様は先程以上に不機嫌オーラを放っています。
「…ちっ」
それも舌打ちだけというのですから、あぁおっかないおっかない。
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