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どうやらすずめもお腹が空いたようで、料理が並ぶ食卓に降り立つと、そわそわした動きで歩き出しました。
「お前もお腹が減ったんじゃなぁ、待っとれよ。確かパン粉が残ってたはず…」
じい様はすずめに餌付けしようと、再び台所に向かいました。
「ちっ、何で鳥類と一緒に飯食うことになってんだよ…」
ぶつくさ言いながらハンバーグを食べるばあ様。
そのばあ様の近くには、じい様が取り出した岩海苔が蓋の開かれた状態で置いてあります。
すると、すずめは岩海苔の放つ海の匂いに惹かれたのか、一直線に岩海苔めがけて突っ込んでいきました。
「あー!!てめぇー!!!」
ばあ様が止める間もなく、頭から岩海苔に突っ込んだすずめは、あっという間にたいらげてしまいました。
「鳥類の分際で人様の食べ物を横取りするたぁいい度胸してんじゃねぇか……。覚悟は出来てんだろうなぁ!?あぁ!?」
ばあ様の勘忍袋の緒が切れた頃、じい様はというと……
「パン粉~パン粉~。わしゃ~、どこ閉まったかいの~」
未だにパン粉の捜索に追われていました。
年のせいか、食卓から聞こえてくる鬼のような怒声にも気付かない様子です。
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