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でこぼこの獣道を抜けて、木々の並ぶ林道を進むと見えてくる広大な草原。
一面緑で彩られた大地に建てられた建物、ふぁんふぁん牧場に到着したじい様は、主人に会うべく中へ入っていきます。
「おーい、生きとるかぁー」
じい様がそう呼び掛けると、中からドタタタという音がしたかと思えば、次にはどんがらがっしゃーんと食器のようなものの割れる音まで聞こえてきました。
「大丈夫かぁー」
どうやらこれはいつものことなようで、じい様はとりあえずといった感じで声を続けました。
「いつつつつ……」
すると奥から出てきたのは、じい様よりは若いみたいですが、中年とすら呼べないような年代の、髭を生やしたおっさんでした。
どうやら腰をぶつけたようで、おっさんは痛そうにさすっています。
「で、今日は何の用だ。乳か?肉か?卵か?」
「肉を頼む。ハンバーグを食べたいそうなんじゃ」
「あいよ。にしてもじいさんよ、いい加減ばあさんに何とか言ったらどうなんだよ」
この二人は昔からの付き合いみたいで、牧場主であるおっさんは、あのニート気取りのばあ様をよく思っていないようです。
「なぁに、わしの好きでやっとるんじゃ。気にしないでおくれ」
ここでもじい様は、ニコニコしながら答えます。
一体、ストレスはどこに蓄積されているのでしょうか。また、発散されているのでしょうか。疑問です。
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