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「これは差し入れじゃ」
そう言ってじい様は、わらをおっさんに手渡します。
受け取ったおっさんは、溜め息をつきながら奥へと消えていきました。
それから数分後、今度はビニール袋を手にして、おっさんが戻ってきました。
「ほらよ。これ持ったらとっとと帰んな。おらぁー忙しいんでえ」
「はい、どうも。それじゃ、お邪魔したね」
お肉を手に入れたじい様は、相変わらずのニコニコ顔で、牧場を後にしました。
「さて、わしの晩飯分を調達しにいこうかのう」
そうつぶやくとじい様は、来た道とは違うルートを歩み始めました。
一体、どこへ向かうのでしょうか。
真っ青な空に、真っ白な雲。
木々には緑の葉が茂り、鳥達の鳴き声も聞こえてきます。
それに何と言っても、この美味しい山の空気。
澄み通ったというか、透き通ったというか、とにもかくにも何にも代え難い幸せの中を歩くじい様。
何だか笑顔の理由が、分かってきたかも知れませんね。
さて、じい様が到着した場所は、山中のとあるポイントのようです。
何かと言うと……
「お、あったあった。これが欲しかったんじゃ」
そう言うとじい様はしゃがみ込んで、何かを摘み始めました。
さて、果たして…
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