私の首筋にも嘘はあるの。

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「俺がでていく」 そう言って 持ち物を整理する背中を見つめている私がいた。 出ていくのもいいけど ねぇ 持っていってよ? なにもかも全て全部 思い出も、全部。 貴方がいらないのは 私もいらないの。 だってね、 別れ話際の時 言われちゃったんだもん。 気づかれてたんだもの。 貴方に全部。 「もう 終わりにしよう」 そう持ち掛けたのは私。 「貴方の首筋の嘘 気づかれないとでも?」 そう言うと 貴方は首筋を手で隠すの それができるなら なんで私が気づかないうちに 隠してくれなかったの? 私が鈍感とでも思ったの? 貴方の全てをみれば それぐらい分かるのよ? 「… ごめん わかった もうヤメにしような」 案外 あっさりなのね。 「でも 俺も気づいてた」 それでいいの 拒まれたら私も困るし。 私も貴方に嘘ついてたの。 同じ嘘を。 「お前の首筋の嘘」 私の首筋にも 嘘はあるの。 いつから気づいてたの? なんて聞くのもやめた。 結局 二人共 してることは同じ。 私だけ聞くのもズルイ気がした。
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