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カチコチカチコチカチコチ｡
規則的な音が､静かに存在を示している｡
ゆっくりと白猫の瞼が開き､グリーンの瞳が覗く｡
焦点が合うにつれ､この猫が見ているものが､黄ばんだ天井だということがわかる｡
意識がはっきりしてくると､鼻の奥を刺激する強い臭いを感じる｡
少し顔をしかめてみせたが､それがより眠気を飛ばしてくれていた｡
上半身を起こす｡
身体に掛かっていたシーツが擦れ合い､皺が刻まれていく｡
グリーンの目が､辺りを探ってキョロリと動く｡
汚れたシーツに包まれたベッド｡
着ているのは､麻で作られた少し固めの古着｡
至るところに包帯が巻かれ､自身の両前足を食い入る様に見つめる｡
鋭い爪が隠れている指には､数ヶ所の切り傷が刻まれていた｡
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