プロローグ

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 人間の生活を支える代わりにその報酬を求める精霊。また逆もしかり、精霊の生活を助ける代わりに報酬を求める人間。 そこには上下関係など基本的には無いが、仕事上での上下関係は存在する。  だが当然の話だが、精霊と人間では考え方や常識その他にも色々と違う点が存在する。 そうなると当然色々と喧嘩になるわけで―― そんな状況をお互いの為にも打開しようと、人間と精霊は協力し合い仲裁する役割の者を生み出そうと考えた。それが俺達『異種族仲裁庁』。 精霊と人間の2つの種族の人数が半々になるように構成されたこの組織。 発足当初は引っ切り無しに呼ばれ、休み無く働く就職したくない仕事ベスト1という汚名が着くほど忙しかったらしい。  でも、同時にやりがいのある仕事ベスト1と矛盾を孕んでいたこの仕事。 この100年でお互いの考え方や常識など、広まってきて落ち着いてきているが仕事は大変なのは事実。 だが、結構この仕事は本当にやりがいがあったりする。 だからそんなに文句はないのだが、もしあるとしたらこれだ。 『仕事の量の割りに給料が低い』  この1点につきるだろうか? まぁそんなことはともかく、長々と説明してきたがこれはそんな異種族仲裁庁で働く下っ端の俺の日常。 結構大変だが、この仕事は面白いんだ。これがまたね。
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