切実に休みが欲しい

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「お~い、俊介朝だぞ~」  俺の名前と共に目覚まし時計の上部に着いた鐘を高速で叩き、ジリジリジリと音を発し起こしてくれるのは目覚まし時計の精霊タムイ。 「もう朝か――切実に今日仕事を休みたいんだが」 「あらま、昨日の火と水の精霊の喧嘩を止めてクタクタになったか?」  ベットに横になったまま、今日職場に行きたくないというボヤキに対して、タムイは笑みを浮かべながら疲れきっている俺を見てケタケタと笑う。 この目覚まし時計のタムイ。茶色のフォルムに上部、俺達のおそらく頭に当たる部分に2つの銀色の鐘を持ち、その間にある小さなハンマーを高速で動かすことで音を発し起こしてくれる。 肌色の手足が人間のように目覚まし時計の下の部分に2本、側面に手が1本ずつ生えている。 「ああ、あいつら信じられないマジで。喧嘩してるって連絡があって行ってみれば火の玉やら水の玉やらが、飛び交っててさ。俺ら人間には逆に危険地帯だったわ」  街のど真ん中でそんな喧嘩を始められたもんだから、特に新人の俺からしたら逆にどうやって止めろと? と頭が痛くなった程だ。 一緒に現場に向かった先輩が「またか」と呟きながら、冷静に精霊の派遣を求めていたのはかっこよかった。  結局この日俺は、喧嘩が終わるまで(結局一日中だが)怪我人がでないように警備員のようにテープを張って野次馬で来た人達を現場から遠ざける仕事をしていた。 「仲裁庁は大変だな。それに加えて、安月給だろ? 全くお前も変わってるよな」 「でも、他の人達から『ありがとう』って言われるとなんだか嬉しくなるからやめられないんだよな」  タムイの言葉を聞きながら、正直な気持ちを口に出しベットから一気に起き上がる。 ここでクズクズしていると、きっと起きられない。一日中立ってた筋肉痛で動きたくなくなって。 「うわ~筋肉痛で体が痛いこれ」  足や背中の筋肉がミシミシと動きたくないと主張するなか、無理矢理体を伸ばしたりしたりして、働こうぜと奮起させる。
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