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タムイとの契約であるリンゴの質をワンランク落とすことを心に決めつつ、ダッシュで職場へと向かう。
実は俺の住んでるのはお世辞にも綺麗な外観ではなく所々ペンキは、はげているしこれまたお世辞にも立派な物ではない。どちらかというと『ボロ』が頭についてしまうような石造2階建てアパート。
石の精霊の協力の元に作られた石を基本に作られたオーソドックスなアパートだ、
ただ築30年とちょっぴり?がっつり?と年数は立っているが、しっかりと作られているからか、現在もちゃんと住める。
というか、俺の他にも何人か住んでいるのだからなかなかの物だ。
なにより嬉しいのは、職場まで徒歩30分というところだろうか?
本当はもっと近場に住みたかったのだが、やはりあれだ。職場の近くは家賃が高かった。
手頃で近くて、しっかりとした住まいを捜した結果が今住んでいる家という訳だ。
そんなことを思いつつも、道をゆっくりと歩き職場に行く人達とは対照的に全力で走り抜けていく俺。
一応仕事の開始時間は8時。全力で走れば20分で着くだろう。しかしだ、今日はいつもと訳が違うのだ。
「筋肉痛が――」
一歩進む度に『おぉ!』とか『痛い!』とか口にしてしまうような、あの筋肉の痛みが俺を襲う。
確かに走らなくても間に合うのだが、新人の俺は早目に職場に居ないと先輩達に何を言われるか分かったもんじゃない。
特に俺の仕事のペアであり、先輩でもある羽ペンの精霊は仕事開始10分前には準備を始めてくれているのだ。
先輩一人に準備をして貰うのはあまりにも、申し訳なさすぎる。
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