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今月末、中学校入学以来初めてのイベント。
体育祭。
でもその背景には、<鉢巻き交換>というバレンタインに次ぐ告白チャンスイベントがある。
「瑠那はいいよねぇ。水野と鉢巻き交換するんでしょ?」
部活の帰り道、家の方向が一緒なアタシ、瑠那、未果でそんなことを話していた。
「実はその事で…相談があるんだ」
いつになく真剣な瑠那の表情を見て、ただ事じゃないな、と悟った。
「ど、どうしたの?」
「水野と…」
瑠那はため息をついた
「水野と別れようと思ってるの」
「…えっ」
瑠那が言った事が理解出来なかった。
「え、ま、待って。別れるって…なんで?」
「…水野、他に好きな人いるみたいなの。」
「えっ…」
「…辛かったね」
未果が言った。
「悩んで悩んでうちらに言うのも…勇気いったでしょ?」
普段の未果からは想像もつかない優しい声だった。
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