入学

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予鈴と同時に若い女の先生が入ってきた。 こりゃ廊下で待ってたな。新任か… と勝手に解釈しながら席に座る。隣は―… 「谷河くん…」 「はょ」 谷河君と同じクラスって…初めて。 前の人の頭がくるっと回った。 「谷河君ゆーんやぁ」 か、関西弁!? 「俺、田辺ゆーねん!よろしゅうなぁ」 テンション高っ 「ちょっと田辺!うっさい!」 田辺君の隣から、鋭い声。 「あんたみたいなのに絡まれる人の気持ち考えなさいよ」 「どーゆー意味やねん」 「そーゆー意味よ」 目の前で火花が散ってる… 「田中」 「へっ!?」 いきなり呼ばれてびっくりする。 「…あの…」 「田中さんっ!?田中紗雪さんっ!?」 谷河君が何か言おうとした瞬間、田辺くんが大声を出す。 「う、うん…」 「もしかして、お兄さん…田中裕一くん?」 「そうだけど…」 「えぇ!?」 今度は声の鋭い子が叫ぶ。 え、お兄ちゃん何者?
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