私と彼の休日

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上映時間40分はあっという間だった。夢見心地に、会場を後にする。 「稜くんどうだった?」 「良かったと思う。声が良すぎて・・・」 「寝ちゃったんでしょー」 「そう」 「もうっ、もったいないなぁ」 「碧衣は?楽しかったか」 「うん、すごく。最後の流れ星なんか壮観だったよ」 手をつないで、感想を言い合った。 稜くんは案の定、ナレーションの声の心地よさに眠気がきたらしい。 (男の人にはちょっと、退屈だったかなぁ) 会場を出た私たちは、そのまま買い物をする事にした。 私は前から気になっていた、靴屋さんを見つけて入った。 「ねぇ、どっちがいいと思う?」 「どっちも、可愛い」 「えーっ、それじゃ決められないよ」 オープントゥの黒のエナメルパンプス。先端にベージュカラーのビーズで出来たリボンが付いている。 ベースが黒とベージュですごく迷う。 何度も履いてさんざん迷った挙句、最初に気になった黒にベージュのリボンのタイプに決めた。
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