私と彼の休日

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冬の夜は、早いし長い。 あれほど遠くまで見渡せていた町並みも、街頭が少ないせいなのか目を凝らしても何があるかわからない。 光を持っているのは車のライトだけで、道路だけ一定間隔で照らされていた。 稜くんの運転する車は、20分ほど走り小高い丘を上りきったところで止まった。 広めの駐車場が設けられていて、公園のようだ。 「ここ、どこなの?」 「行く前に見たんだけど、綺麗な景色が見えるみたいだよ」 「本当ー?」 私は、キラキラしているものが大好き。町並みも、光も、星も。 人工的なものも、自然のものも、どちらも好き。 車を降りて、稜くんの少し後ろをついて行く。街頭は少なく、音もなくシンと静まり返っている。 よく見ると私たちのようなカップルが同じ方向へ歩いていくのが見える。ここは、有名なスポットなのかもしれない。 砂利道をとおり、土の地面に変わった。正面をみると、少し大きな建物が見える。 近づくと外側からループ状に道がスロープなっていて、その道をあるくと地面より2階分程高い場所にたどり着く。円状に柵がめぐっていて、等間隔にカップルがそこに居た。 「こっち」 そういって稜くんは私の手を引き、ちょうど空いているスペースに誘導する。少しドキドキしながら、一歩一歩柵に近づく。 「碧衣、みて」 柵にたどり着いた私は、ゆっくり正面を見た。
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