私と彼の休日

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「でも、いいの?自分で願いをかけなくて」 「ああ。俺の願いは、碧衣がいれば叶うから。碧衣の願いを込めてほしい。大事に出来そうだから」 「・・・うん、わかった」 ちゃんと持ってきていたのか、稜くんは来ていた濃紺のダウンから小さな袋を出した。 丁寧にテープをはがして、袋からお店で買ったミサンガを取り出した。 そっと、私の開いていた手のひらの上に置いた。 (うーん。何にしようかな) 少し考えてから、 稜くんの腕のスペースに収まっている体を動かしてからミサンガを両手で持ち左手首に巻いた。 結ぶ時に、お願いごとをして。 『どうか、×××××××になりますように』 ギュッと片結びにきつくむすんだ。 私はそれがちゃんと叶うように、稜くんの左手首裏、脈がある部分にそっとキスをした。 お守りのように。 「・・・外で、可愛いことしないでよ」 「えっ?」 「抱きしめたくなるだろ」 そういって向かい合うようにギュッと抱きしめられた。背中に回された腕は優しく、温かい気持ちにさせられた。
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