episodeⅡ

4/4

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
ずいぶん古風な道だな。林の中にある一本道。石畳ってことは人為的に作られた道だよな。毎日この道歩いてるのにまったく気付かなかった。 突然強烈な追い風が吹く。まるでその道に俺を誘うかのように。 「よし!行くか」 俺は林の中にひっそりとあるその道へ歩き出す。何かが起こるであろう予感を俺は密かに感じていた。 ――――――PM/5:20 歩き始めて早十分が経過した。生い茂る笹などの草木が日の光を遮り薄暗くなっている。ひたすら歩き続けているがどうしたものか……。 景色がまったく変わらない。石畳の道がただ続くだけ。進んでる気がしない。だが俺は立ち止まらない。俺の直感が言っている。この先に何かあると…………。 ――――――PM/5:30 流石にやばい。同じような道を歩き続けると感覚がマヒってくる。どのくらいの距離を歩いたすらわからない。これは神隠しにでもあったか? まあでも今が夏で良かった。日が落ちるのが遅いから五時半を過ぎた今でも視界が十分確保できる。 それにいい感じの風量で風が吹いているから暑くない。 けどいい加減この無限ループ的空間を抜け出したい。精神的にきつい…。 ――――――PM/5:40 まだ………………続くのか……………。 今だに石畳の道……。変わったことと言えば曲がり道が多くなってきたぐらいか……。はあぁーー、憂鬱になってきた。 何本目かわからない曲がり道を曲がった時、無限ループが終わりを告げた。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加