私が料理をしない訳

8/49
前へ
/53ページ
次へ
コンコン、とお父さんの書斎のドアをノックする。 「どうぞ。」 冷たい声。 いつも最低限しか話さない。 『失礼します。 お父さん、わかね、これ初めて1人で作ったの。 えっと…食べて、みて…』 言えた…! お父さんの目はチョコのお皿を手に取るなり、上に乗っていたチョコを全部、摘まみもせず、ゴミ箱に捨てた。 『………!! え、おとうさ…』 「こんなゴミを作っている暇があるならもっと勉強をしなさい。」 そう、だよね… あのお父さんだもん 『…はい、すいませんでした… 失礼します。』 こんな事、わかりきってたのに、なのに、なのに何で私、 泣いているんだろう?
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加