誘導

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倉本はその間、俺の隣で音楽を聴きながら本を読んでいました。 DSと同じ色のブックカバーをした本。 隣で、ゲーム操作していていいのか。 興味があって、ゲームにした―― 何駅乗るんだろう。 「なぁ、倉本」 「うん」 「俺のこと聞かないね」 朝、どう過ごすかだけで…俺が昨日まではどう過ごしてきたかを聞かない。 「嫌だと思うことは聞かないから。」 俺と友だちになりたくて――でも、過去は聞かなくて―― 「嫌なんだ…」 呟くように言って、顔を覗くと、倉本は照れていた。
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