禁種:グモール

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>>  その言葉の意味は理解できなかったが、しかし空昇るサンダーバードから感じる気配は尋常ではなく。戦いに慣れた○○の勘が、サンダーバードは何らかの大技を仕掛けるつもりだと判断する。  出来れば回避か発動を妨害したいところだが、具体的な攻撃手段が判らないと回避の算段はしづらく、妨害しようにも相手は遥か上空だ。  騎士の力を得た○○ならば手は届くかもしれないが、既にスタートまで残り5秒となった今、賭けに出る気にはなれず、○○はセサルからの指示通り防御の態勢を取る。 『──この大祭に集まりし民達よ、そして集まりし領主達よ!!』  見上げる空より降って来たのは、威厳溢れる男性の声。  拡声結晶経由特有の僅かな残響と共に、数キロ離れた聖堂院にまで届こうかという大音量でもって周囲に深く広く轟く。 『掲げ見よ! 我、些国領主エドワード・エルシア・エイムズが、今ここに『ジルガジルガ』始まりの寿ぎを謳い、古より七王国を守護せし力の威、その神権の正しき一片を、最大の祝意として揮おうぞ!!』 >>
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