2

4/8
前へ
/15ページ
次へ
「一緒に帰ろ!愛美」 「嫌」 「俺、可愛い可愛い愛美ちゃんのために待ってたんですけどー?」 「待っててなんて頼んでない」 冷たく突き放すと 海内くんは寂しそうな目をした。 私はこの目が嫌いだ。 何を求められても 返せるものは何もない。 「愛美はツレねーなー。可愛いのにもったいねぇよ」 可愛い とか 可愛くない とか 好き とか 嫌い とか 世の中には意味のない事ばっかりだ。 「可愛いって誰にでも言ってるんでしょ?海内くんは」 海内くんは たぶんチャラい。 っていうか絶対チャラい。 服装とか。言動とか。 「私、帰る」 そう言って 滝の雨の中を駆け出した。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加