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ゲームは好きだ
でも心理戦は得意じゃない。
俺は神様でも超能力者でも何でも無いんだから人の心を読むなんてそんなまどろっこしい事御免だ
なぁ、アンタだってそう思うだろ?
俺、釘宮棗はこのカジノ【gold.】のバーテンダー兼プレーヤー。
さっきもお客さんとポーカーの一発勝負したトコなんだけど、何と言っても俺の心理戦の弱さは此処でも有名な位でもう勤めはじめて結構たつけど一向に上手くならない。まあディーラーじゃないから絶対勝たなきゃいけないなんて事は無いんだけど、負けるよりは勝つ方が気分良いに決まってる!
盛大な溜息を吐いた俺に客は満足そうに声を掛けて次の台へと移っていった。
「拓海さぁん…俺全然勝てないっす…もう無理…」
卓上に突っ伏してディーラーの拓海さんに愚痴る。
「棗…お前なぁ………心理戦中心のゲームじゃ勝ち目無ぇの分かりきってんだろーが!何でそれをわざわざ出て来て参加したがんだよ!向こうで酒作ってろこの馬鹿!」
今日で何回目だ、と呆れた様に付け足して頭を叩かれた。拓海さんはサラサラの茶髪に端正な顔の造り。童顔(って言ったら怒るかな)なので30歳だなんて言われても信じられない。
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