nocturnal

workout

…確かに。
俺は意識していたわけじゃないから自分の表情の変化なんか分かっていなかったけど、もし拓海さんの言う通りなんだとしたら俺は皆に手の内を全て明かしていた事になる。

｢分かりました！なら無表情になりますねっ｣

｢極端だなおい…まあ確かにポーカーフェイスは勝敗を握る鍵になる。……しかしお前がそれを完璧に実行出来るかと言えば…難しいだろ。｣

簡単に言ったものの難しいどころの騒ぎじゃない。ゲーム中ずっと無表情でいるなんて不可能だ。そんな事しようもんなら顔の筋肉が固まってしまい、日常生活の表情までもが無くなってしまうだろう。

｢じゃあ拓海さん特訓して下さいよ！｣

はぁー？何でだよ面倒臭ぇ！そう言いながらもカードを用意してくれる拓海さんはやっぱり優しくてついつい顔が緩んでしまう。
にっと笑うとだらし無ぇ顔すんじゃねぇってまた頭を叩かれた。