8人が本棚に入れています
本棚に追加
/49ページ
「…棗……顔。」
溜息混じりに名を呼ばれ、カードから目線を外すと正面には手鏡。
眉間に皺をよせた自分と目が合う。
「…またっすか…あーもぉっ」
手持ちのカードを放り出してがしがしと髪を乱す。
「ほんっとお前分かりやすいなぁ
まああんまり根詰めんなよ。」
ぐしゃぐしゃになった髪の上から頭を叩くみたいにして撫でられた。
優しくて暖かくて眠くなる。
「…すんません…」
テーブルに突っ伏したまま小さな声で謝れば吹き出された。
「お前、しおらしくしてたら可愛いのにな。」
「るさいっすよ、童顔の癖に。偉そうに可愛いとか言わないで下さい。」
最初のコメントを投稿しよう!