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結局今一特訓の効果も出ず、遅くなったし危ないから家まで送ると言ってくれた拓海さんを突っ撥ねてきったないボロアパートに帰ったらもうAM2:00。
「……もー…マジ、カードのセンスねぇよ…ほんっと…拓海さんに悪ぃよなー…」
溜息を吐いて靴を脱ぐ。
そのままベッドに倒れたい位だったが風呂に入らず寝るのは嫌なので服を脱ぎ捨てながら風呂まで行く。振り返ると自分の通った所に点々と抜け殻のように服が落ちていて、風呂に入っている間に拾って洗濯をしてくれる彼女もいないのかと思うと何となく虚しい。
「……。」
が、しかしそんな事も言っていられないのでとっとと風呂に入り熱いシャワーで今日一日の疲れを泡と一緒に洗い流した。
「はー…疲れた。」
道しるべの様に落ちた服を洗濯機に放り込んで髪を拭きながらベッドに腰掛ける。ふと電話を見るとチカチカとライトが点滅している。自分が留守の間に誰か電話をしてきたらしいが、携帯ではなく家の電話にかけてくるとは珍しい話だ。
誰だろう、と考えながらも留守電ボタンを押すとお決まりのお姉さんのアナウンス。しかし今日は何か違った。
――メッセージハ、42件、デス。
「はぁ?!」
件数が異常。前に付き合っていた束縛彼女でも10件代だった。
それが今回は彼女もいないというのに42件。
明らかに異常である。
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