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「廣幸、進路はどうするんだ?
そろそろ大学とか、決めていかないといけない時期だろう」
父さんがメンズ雑誌に目を通しながら呟いた。
「進路……?
どうせ、芸能界で食っていけとか言い出すんだろ?」
「私はそうとは言わない。
廣幸の進路は廣幸が決めることだ。
……だが」
「あら、廣幸は一流の俳優になるのでしょう?
この芸能一家に生まれたのだから、その道は定められたようなものでしょう?」
「……」
俺は眼鏡を掛け直して溜め息をついた。
俺の将来、運命。
それは全て、
母さんの手で操られていた。
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