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四分後。
とうとう堪えきれなくなった火糸が、里田さんに尋ねた。
「あの~、里田さん!?なんか教えてくれませんか~!?」
語尾が!?だからといって強い口調で尋ねているわけではなく、恐々とした口調である。
里田さんは質問してもらったことで満足したらしく、ようやく口を開いた。
私たちにとってはお馴染みの平坦で小さな声で。
「青少年は、男女両方を表す言葉。
だから、新しく作ったり既存の言葉から考える必要はない」
……へ?
数秒後、里田さんの言ったことを正しく理解した我々の頭上に、雷が落ちた(イメージ的に)。
ピッシャァァァァァァァァァァァァアン!!(あくまでイメージです)
まじかよ。
『少年』のくせに男女両方なのかよ。
里田さん以外、フリーズ。
脳内で処理出来ない、したくない事実は一つだけ。
あれいままでのはなしぜんぶむだ?
唯一稼働している里田さんは、またポツリと話す。
「あと、びっくりマークの正式名称はエクスクラメーションマーク」
あ、わざわざどうも。
まあ正直今それはどうでもいい。
今大事なのはこれまでの話が無意味かどうかということで、ああもう無意味なのは認めるしかないけど認めたらあばばばば。完全に停止している四人を放置して、里田さんはミリ単位でスキップしながら去っていった。
それから一時間後に、私たちはようやく復活できましたとさ。
愉快なオチ?ないよそんなもん。
雄割。
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