青少年とあれ、えっとなんだっけ

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「ところでさあ……」 四月始め、女子五人しかいない教室のなか。 もっと具体的に説明するなら、四月九日十六時半、中学の頃から仲良しな女子五人グループしかいない丸場津高校一年二組教室のなか。 微妙にピンクが残っている桜の木を窓越しに眺めながら、何とはなしに呟いてみた。 「なになに~!」 一番始めに反応したのは、やっぱり火糸(ひいと)。 語尾にびっくりマークがついたらだいたいこの子。 この五人の中では一番元気というか簡単というか……って言ったら火糸のポジションについては説明したことになるはずだ。 「今回はどんな妙なこと言いだすことやら……」 「シュールが言うことってほんとよく分かんないもんねぇ~」 なにやら失礼なことを言いだしたのは、発言順に飯塚さんと三島ちゃん(さんとちゃんを外してはいけない)。 このグループのツッコミ担当である。 ま、漫才グループじゃないから厳密には区別ないけど。 ああ、因みに三島ちゃんが言った『シュール』とは私のことであります。 本当は『秋留』と書いて『あきとめ』なんだけど。 まあ、あだ名という奴だね。 この中であだ名持ちは私だけ。 私そこまでキャラが濃いのだろうか。 まあそれは置いといて。 周囲の反応を確かめてから、私は本題を言ってみた。 「あの、入学式のときに校長が言った、『少年少女の諸君、これからよろしく』ってやつ、なんかアレじゃない?」
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