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「まあ、聞くだけ聞こうじゃない。
例えばどんなのよ?」
飯塚さんは呆れつつも興味を示し、火糸に尋ねる。
火糸は言い出したクセになんにも考えていなかったようで、「えーと……!」とか言いながら考えだした。
びっくりマークがついているが別に歯を食いしばりながら考えているわけではない。
三島ちゃんも考え始める。
……あれ?
なんで静かになってんの皆。
私だよ?私が言い出したことだよ?
なんで皆真剣に考え込んでるの?
一人置いてけぼりにされた気分を味わっていると、火糸が不意に叫んだ。
「『青少女』!!」
「なんぞそれ」
素早くツッコむ私。
火糸はニコニコしながら、無駄に偉そうに解説し始めた。
「だからさ、『青少年』ってのは最後が『少年』だから男のことを示すんでしょう!?
だったら、最後を『少女』にすればいいじゃん!
これで、あたしらの年代表す言葉完成!!」
安直だった。
まあ火糸の言うことだから仕方ないや。
安直以前に致命的な弱点があるけど、それも火糸だから仕方ないや。
「あ、それいいかも~。
簡単だし~。」
あれ、三島ちゃんは『青少女』の致命的弱点に気づいていないようだ。
しょうがない、教えてやるか。
「ヒント。三島ちゃ~ん、一回『せいしょうじょ』を漢字で書いてみ?
ただし直感で」
「え?別にいいけど……あっ」
ボールペンを持った彼女の手が止まる。
飯塚さんも気付いたようで、火糸だけがポカンとしていた。
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