プロローグ

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――何故、こんな事になっているのだろう。 俺は森林の中を全速力で駆けながら、思った。 正直、わけが分からない。 ふと、後ろを振り向く。 そこには、スーツ姿で服の上からでも鍛えられているのが分かる、厳めしい男がいた。 いや、俺を追いかけていた。 かれこれ、数十分、走っているのだが依然とついてくる。 恨みでもあるのか、と思うくらいしつこいのだ。 おかげで体力の限界が近づいてきた。 そう認識すると、余計に息づかいが荒くなるのが感じられる。 それでも俺は疾走を継続しながらも何故、このような状況になっているのかを振り返っていた。 確かあの時……―――
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