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雪は。
雪に触れたものすべてを、真っ白にした。
卒業生の一人が触れたその雪は、その触れた手を、まるでロウ付けでもしたかのように真っ白にしてしまった。
偶然見てしまったその感じからいうと、腕が白に染まったというよりは、腕から色そのものが抜けてしまったような感じだった。
生気がなくなる、という言語も使えそうな色の抜け具合。
その場にいた人達全員が、騒然となった。
当たり前といえば当たり前だ、目の前にいきなり白くなり始めた人間が立っているのだから。
もちろんパニックになる。
逃げまとう者、騒ぎ立てる者、泣き叫ぶ者。
人々はそれぞれの反応を見せながらそれぞれの最期を迎えていった。
完全に白くなってしまった人間は砂となり消えていくようで、目の前には瞬く間に白い砂があふれかえっていった。
俺の記憶はそんなところで終わりを告げる。
そんなような結構修羅場な部分で、俺は意識を失った。
だから、それ以降のことは知らない。わからない。
でもこれだけは、はっきりとわかる。
わかってしまう。
世界が死んだのだということ。
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