1912年4月10日

14/21
前へ
/71ページ
次へ
昼食会が終わり、日が傾ききれいな夕日が水平線に沈んだころ、タイタニックはフランスのシェルブールに寄港した。 フランスのノルマンディー地方の港湾都市、シェルブールからも、このタイタニック号の処女航海に幸運にも乗るチャンスを得た乗客たちが乗り込んできた。 ヨーロッパ旅行を楽しんだ上流階級の方々、新大陸に希望と夢を持ち乗り込む移民者たち。 ルノーの車に数多くのトランクを持ち込む者もいれば、薄汚れたバック一つで乗り込む者もいる。 タイタニックというのはそんな船であるのだ。
/71ページ

最初のコメントを投稿しよう!

149人が本棚に入れています
本棚に追加